◆おとうふの　おへそ
おとうふは　まん中が
丸くふくらんどる
ボタンみたいに　ちっちゃいけど
何か　かわいい　でべそみたいや

そしたら　こんどのおとうふは
丸やなくて
梅の花みたいな　おへそに変わった
これもええなあ

◆うすいた
おとうふを買いに行った

おとうふは　お店の水そうの中にいれとった
いっちょう　こうたら
おばちゃんが　それを
うすい　木でできた紙みたいなのに
くるっと巻いてくれた

あとで　かあちゃんがゆうた
あの紙みたいなのは
「うすいた」ってゆうんや　て

「かんな」で
あんなにうすくけずるんかなあ


※薄板：今でも　魚屋さんなどが使っている
　刺身や切り身ブロックなどを買うと
　薄板に包んでくれる
　（スーパーでは全てパック詰めで　薄板は使われない）

　ほかに　小菊堂（「太鼓饅頭」の項参照）で
　小判焼きなどを買うと　持ち帰りの場合
　専用の薄板（三つ折りにできる）で包んでくれた
　これは豆腐用の薄板と違って　しっかりしており
　表に　店の名前の焼き印がしてあったと思う

　そういえば　昔の駅弁の折箱は　みな薄板でできていた

◆竹の皮
お肉屋さんで　肉をこうたら
肉を　竹の皮に包んでくれた

三つに折りたたんで
さいごに
竹の皮のひもで
かるく結んでくれた


※竹の皮：今では　肉もパック詰めで
　竹の皮は　まず見られない

　竹の皮を手に入れようとしたら
　筍を丸々一本買って　家で皮を剥くか

　鹿児島特産の「あく巻き」（餅米を竹の皮で包んで
　灰汁（あく）で煮たもの　黄な粉などを付けて食べる）
　を買うくらいしかない