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五年生のころ


不良
「あんたら 兄ぃが呼んどるから ちょっと来て」 友達と二人で老松公園を歩いていたら 後ろから声をかけられた 背は低いけど中学生みたいだ 何となく いやな感じがしたので 無視していたら 「兄ぃが用があるから来いって! ついて来い!」 (やっぱり あれか) 前に痛い失敗をしていたので どうしたらいいか わかっていた 途中 誰も見ていないのを さっと確認して ポケットの中の財布を 茂みの中に放り込んだ 友達に説明する余裕はなかった 「兄ぃ」は公園の片隅の木陰にいた ちょっと大がらなやつだ 「お前ら 金 持っとったら出せ」 「・・・・・・」 「ポケット検査するぞ  持っとったら ひどい目に合わすからな  今のうちに出せ」 「持ってない」 僕は わりあい 平気に答えられた 「お前は?」 友達も 持ってない と首を振った 「よし 行け 誰にも言うなよ」 検査は なかった 財布は 元のところにちゃんとあった あの使い走り君は どうなったんだろうな
※あの頃の「不良」はいかにも不良っぽく見えた  貧しかったり腕白だったりで汚れた身なりをしている人と  自分から崩れた身なりをしている連中との違いは  雰囲気からすぐにわかった ※あの頃は そういう輩(やから)がいたが  今はあまり見かけない(よくなったのか 悪くなったのか) ※「誰にも言うなよ」は 連中の決まり文句だ  裏を返すと 人に告げられるのを怖がっているわけだ  あの頃  勇気を出して 奴らが一番怖がることをやるべきだった ※兄貴分の男は 中学生の時にも何度かお目にかかった  やっぱり 悪行を働いていた