土曜日だったかな?
帰りがけに 正門の階段の下で
しゅう道女が配っていたビラをもらった
救世軍のクリスマス会の案内だった
○○君と二人で行ってみた
中に入ったら もう始まっていた
何人かのしゅう道女が
アコーディオンとタンバリンで
何か音楽をやっていた
「...わーがしゅいえすー われを愛す...」
(『わがしゅいえす』って何だ?)
次の音楽は「ふくいん列車」だった
「さあ急ぎましょう 汽車が出る
天国行きの...」
(『ふくいん列車』って何?)
しゅう道女が 絵を掲げていた
列車に たくさんの人が乗っている絵だった
それから 紙芝居があった
タイタニック号沈没の場面だった
乗客たちが我先にと
救命具や救命ボートを奪い合っていた
突然 おごそかな音楽が流れてきた
一団の人たちが賛美歌を歌っていたのだ
(楽団の曲だったかも)
乗客たちは 一瞬 それに聞きほれ
落ち着きを取り戻した
その人たちは 最後まで歌を歌い
船と共に沈んだ
というお話だった
帰る途中で ○○君が言った
「救世軍って 軍隊みたいやな
あの人 少尉とか中尉とか言っとったよ」
「へえ」
「『またいらっしゃい』って?
へっ もういくもんか
『さあ急ぎましょう』?
まだ天国に行きたくないよ」
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