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はったい粉
7月 夏休みがはじまるころ はったい粉売りの おばちゃんか おばあちゃんかが よく 家の前を通っていた はったい粉っていうのは 麦(大麦かな?)の実を 粉にひいたものらしい 茶色っぽい粉で 黒っぽいちっちゃな点みたいなのが 混ざっている おばちゃんは モンペをはいて 四角い大きなカンカンの箱を 背中に背負って 「麦茶に はったい粉〜」 と言って売り歩いていた ぼくのばあちゃんが その人から 麦茶や はったい粉を買ってくれた 大積の農家の人で 自分で作った麦を 麦茶やはったい粉にして 売りに来るらしかった ある年の夏 ばあちゃんが言っていた 「今年は 麦のできが えらく悪くて  農家の人は 泣く泣く  だめになった麦を焼いたらしい  麦茶も はったい粉も  売りに来れんらしい」 麦茶は 夏にしか飲めんかった 夏らしい味のひとつや おいしかった はったい粉は 茶わんに入れて 砂糖を入れて 混ぜてから 熱いお湯をかけて はしで かきまぜて食べるんやけど これもおいしかった 時々 お湯をかける前に 「ちょっと ちょっと」 と兄弟に声をかけて 息をブーッと吹きかけて 相手の顔を粉だらけにして遊んだ
※はったい:国語辞典に  「米・麦の新穀をいってひいた粉」とある ※大積(おおつみ):裏門司の一地域 ※熱いお湯をかけて:夏に熱湯をかけるのは奇妙だが  かき混ぜると ちょっと粘りが出た  この暑い時に嫌だ とも感じなかった ※「おいしかった」:はったい粉自体は素朴な味で  それほどおいしいものではないが  当時はおいしく感じたものだ
はったい粉
はったい粉