◆先生から
ガリ版の原紙を作るように言われた
ガリ版の板と てっぴつと
ロウ紙みたいな まっさらの原紙と
げんこうをくれた
げんこうを見たら
みんなにくばる れんらく文みたいなもんやった
ガリ版の板の上に原紙をおいて
てっぴつで 原紙に字を書いたけど
うまく書けんかった
ぼくは もともと 字がへたやけど
先生 なんで ぼくに書かせるんやろ
◆印刷しよるの 見たことある
とうしゃばん ていうので 印刷するんや
原紙の大きさくらいの 木の板の上に
同じ大きさくらいの 木のわくが乗っとる
木のわくの かたっぽのはしっこは
下の板と ちょうつがいで つながっとる
反対側のはしっこを持って
木のわくを上げたり下げたりできるんや
木のわくには
すごい小さい目のあみが はってあるけど
あみをとおして 下側がすけて見える
べつに 木のわくと同じはばの ローラーもあった
あと ローラーにインキをつける皿もあったかな
◆印刷するときは
木のわくの上に 原紙を乗せるんやったかな
それから 横でローラーをころがしながら
まんべんなくインキをつけるんやったかな
そして 木のわくの下に 紙をしいて
木のわくをパタンと下げたら 印刷オーケー
木のわくに乗せた原紙の上から
ローラーをころがすんや
そして 木のわくを上げたら
下の紙に印刷されとる
◆しょくいんしつで
じむのおねえさんが 印刷しよるの見た
りんてんき ていう機械で印刷しよった
手でハンドルをぐるっと回したら
紙が機械にすいこまれて
反対側から 印刷された紙が出てくるんや
ハンドルをぐるぐる回したら
どんどん印刷される
とうしゃばんの 何倍もはやかった
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※鉄筆:先に鉄の針が付いた筆 ガリ版の板には きめの細かい<やすり>のような鉄板がはめられてあり その上にロウ紙のような半透明の原紙を置いて 鉄筆で 原紙をひっかくように 字や絵を書いていく このとき キキッキキッという音が出る
原紙には碁盤目状のマスが印刷されているので 一文字一文字を それぞれのマス一杯になるように 書いていくときれいに書けるそうだ
※木の枠に小さい目の網:こんにちのシルクスクリーン のようなものか
※輪転機:手回し式のものが 後には電動式になった