裁縫の授業が始まった

大体みんな 文房具屋で売っていた
裁縫セットを持ってきた
裁縫セットは きれいでコンパクトで
すてきに見えた

僕は
かあちゃんがくれたブリキの缶に
針山や針やはさみを入れて
持って行った

先生が
「セットを買わなくても
　○○君のように
　あいた缶に入れてきてもいいですよ」
と言った

でも　僕のは　セットのように
きれいじゃないので　恥ずかしかった

工夫してみた
ハギレを　もみじの葉の形に切って
針山に貼り付けた

隣の席の女の子が 僕の針山を見て
「かわいいね ちょっと使わせて」
と言った

もう
ブリキの缶でも　恥ずかしくなくなった

運針練習や　ボタンの取り付け
アップリケの縫いつけ　袋の制作など
いろいろあったけど
あまりうまく作れなかったなあ