◆ふうしんが すごくはやった
ふうしんて はしかみたいなもんや
からだに はん点が出たり 熱が出たりする
「みっかばしか」てゆうんやって
はしかにかかった人は 一生の間
またかかることはない
けど ふうしんは はしかとちがうから
一回かかった人でも
何年かしたらまた かかることがあるんやって
◆僕の妹も ふうしんにかかった
あと二週間で 僕たちの卒業式や
卒業式の答辞を読む役とか
記念品贈呈の目録を読む役とか
誰がするか ということになった
先生は
答辞は 僕が読むように
記念品の目録は ○○君が読むように
てゆうた
(いややなあ〜)
◆練習することになった
答辞の文句は だれが書いたんか知らんけど
もうできとった
先生は
それをみんなの前で読みなさい
てゆうた
途中で
「・・・庄司ヶ丘の・・・」って書いとる
(「ヶ」って どう発音するんやろ?
こんな字 国語では習わんかった
よく「しょうじがおか」ってゆうから
「が」でええんやろか?
でも「ヶ」って カタカナの「ケ」に似とる
「が」と「け」の中間の「げ」やろか?)
それで
「しょうじげおか」ってよんだ
そしたら ○○ちゃんが
「言い方がおかしい」ってゆうた
先生が「もういっぺん読みなさい」てゆうた
それでまた 同じように読んだら
先生が
「もう あんたは せんでええ
誰かほかの人にやってもらう」ってゆうた
答辞は △△君がやることになった
(ヤッター!)
◆卒業式の日の朝
僕は ふうしんにかかった
体じゅうに 赤い はん点が出た
でも 気分は悪くないし 熱も出らんやったけ
学校に行った
先生に そのことをゆうたら 先生は
「あー やっぱり かかったかね」
てゆうた
卒業式には ちゃんと出た
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